“人がそこにいる”という音

明け方目が覚めたので、
ビル・エヴァンス・トリオの
『Sunday at the Village Vanguard』を聴いていた。

目を閉じながら聴くのにはちょうどいい感じ。
ジャズのピアノトリオ。

1961 年のライブ音源で、このアルバムと
『ワルツ・フォー・デビー』というアルバムに
分散収録されている。

音楽のライブ盤っていいね。

『ワルツ・フォー・デビー』というアルバムでは、
冒頭から、演奏と一緒に、食器の触れ合う音や
人々のささやき声などの音も聴き取れる。

この音がなんともいえず、いい。

今から50年以上前の、
その場の空気感が感じられる。

自分が学生のころ、
ちょっとした空き時間に、
ジャズ喫茶に通っていた。

大阪の天王寺にあるトップシンバル。
たぶん今はもうなかったと思う(…残念)。

昼間の時間帯に行けば、
500円のコーヒーを飲みながら、
大音量のジャズが聴ける。

近くの未来屋書店で本を買って、
でっかい音のジャズを聴きながら
ゆっくり時間を過ごすのが楽しかった。

マスターが寡黙だけどすごくいい方で、
自分がひとりのときは、
なにか聴きたいのある?と聞いてくれたりもした。

ライブにしても、ジャズ喫茶にしても、
演奏と、その周りの音とが相まって、
全体がひとつになる感じがとてもいいなと思う。

そこに人がいる、と感じることができる。

ここまで書いていて、
頭の中に、吉田拓郎さんの『唇をかみしめて』
という曲が思い浮かんだ。

“人がおるんヨネー 人がそこにおるんヨネー”

最初にこの曲を知ったのは、
奥田民生さんのカバーだったけど、
カバーも原曲もどちらも個性的で好き。



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