朝の森の空気

電車の扉が開いたとき、
さわやかな、やや湿った風が入ってきた。

小学校くらいのときに
林間学校やキャンプに行って、
森の中で朝の散歩や体操をしたときの空気に近い。

やや冷ややかで、でも寒いわけではなく、
やや湿度があって、でも不快ではない、
なんとも言えないこの空気。

海が近いからかな。
そんなに近くはないか。



空想アサバゲーム

以前書いた空想さし飲みゲームに続き、
朝からちょっと考えてみた。

早朝の通勤電車は
(まぁ当たり前だけど)無表情な人が多い。

そこで、たとえば目の前に座った人と
ちょっとスタバでお茶でもどうですか
っていうノリで朝から一緒にスタバに行くっていう妄想。

どうせなら午前中有休を取るくらいの勢いで。

今どんな仕事をしているんですか、
ほんとはどんな仕事をしたいんですか、
とか、そんな話をしてみてもいい。

自分の本音って、案外自分でも分からない。

世間の玉石混交の情報にさらされて、
まるで”これが本音です”って言わされてるような
ものしか出てこないかもしれない。

と思えば、人としゃべりながら、
自分でも思ってもみなかった言葉が
ひょこっと出てくることもある。

最初は覇気のなかった相手の表情が
だんだん明るくゆるんでいくのを見て、
充実した朝の時間を過ごす。

そんな妄想。

あ、この相手というのは、
案外、自分自身なのかもしれない。



路地、団地、空き地

今でもなぜか心惹かれるものに、
“路地”がある。

家と家の間とか、
古い小径とか、
そんな小さな細い道。

子どもの頃、
かくれんぼやおにごっこや
探偵をして通り抜けた道。

大人になっても、道すがら
ふっと見入ってしまうときがある。

さすがにこの歳で入っていかないけど、
息子と散歩していると
ふらっと通ってみてもいいかなと思う。

同じように、
古い団地や空き地も
子どもの頃よく遊んだ。

秘密基地みたいな感覚かな。

もうちょっと涼しくなったら、
細い小径をくねくねいっぱい散歩したいと思う。